世善桜

エドヒガン

県指定天然記念物

(内子町上川)

 内子町の旧小田地区から国道380号を東へ進み、同地区の中心部近くで県道52号に入る。1kmほど走った所にある廣瀬神社前から県道211号を直進すると上川地区の北地に着く。少し行くと三叉路にさしかかり看板が出ている。直進すると北地の世善桜へ、右手に登って行くと御岳の世善桜へ着く。

 世善桜は2本あり、1本は北地の県道近くの鳩岡山龍蔵寺跡地にある。この場所は分かりにくいので、上述の三叉路辺りで地元の方にお聞きした方がよいでしょう。北地の世善桜は幹周5mの親樹が20032月の雪で倒壊した。傍らに育っていた2世が樹高11mに成長し、立派に花を咲かせている。
 もう1本の御岳の世善桜は、そこから県道を少し引き返し、左手(上述の三叉路の右手)の道路を数km登った、御岳の大森神社跡地にある。途中から未舗装の悪路になりますが、注意すれば普通の車で登れます。この世善桜の親樹は生きているが、根元周5.29m、幹周3.99mの主幹は衰退が著しい。これも根元近くで成長した2世が樹高17mになり、世代交代が進行しつつある。

 花はいずれも淡紅色の一重の花が平開し、顎筒も綺麗なつぼ形をした典型的なエドヒガンである。

 1483年、この地を治めていた大野朝直が吉野の金峰山から苗を持ち帰り、良い世の中でありますようにと願いを込めて「世善桜」と名付けたと伝えられており、県内で最高樹齢の桜とみられる。

 今、上川自治会を中心に地域を挙げて世善桜の増殖に取り組んでいるので、いずれ「世善桜の里」として注目されることだろう。

北地の世善桜
撮影日 2007年4月7日(散り始め)
傍らに育った立派な2世


倒壊した親樹


御岳の世善桜
撮影日 200747日(満開)








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